PCB使用安定器の点検要領

1.PCB使用安定器を使用していた照明器具の種類

 昭和32年1月から昭和47年8月までに製造された、施設用の蛍光灯器具、水銀灯器具及び低圧ナトリウム灯器具のうち、次の種類のものに使用されていました。

(1) 蛍光灯器具

 「ラピッドスタート式」及び「フリッカレス式」で、「高力率形」のもの。使用蛍光ランプは、40W 2灯用が主であるが、他に60W、80W、110W、220Wがある。

 なお、特殊用途(耐食形、防爆形、調光形など)として、40W 1灯用及び20Wのラピッドスタート式のものがあるが、一般的な施設では使用されていない。

(2) 水銀灯器具

 「一般形」で、「高力率」のもの。「定電力形」のもの、及び「フリッカレス形」のもの。なお、この器具の主な用途は、体育館や工場など高天井に設置される照明や、道路照明などである。また、安定器は、一般には器具に内蔵されておらず、器具と分離して「別置形」として設置されている。

(3) 低圧ナトリウム灯器具

 全機種。なお、この器具の主な用途は、トンネル灯である。

2.PCB使用安定器の点検と判別方法

 その照明器具にPCB使用安定器が使用されているかどうかは、次の手順により点検・判別してください。

(1) 施設の建築年又は照明器具の保守交換時期の判別

 その施設を建築・改修された時期又は照明器具を保守交換された時期を確認してください。
 その時期が、1977年(昭和52年)3月までであればPCB使用安定器(製造期間が1957年(昭和32年)1月から1972年(昭和47年)8月までのもの)が使用されている可能性があります。

(2) 照明器具の種類の判別

 次にその施設に設置されている照明器具の種類を確認してください。
 下図の上段に代表的な各種器具の姿図を示してあります。この図を参考に蛍光灯器具、水銀灯器具、低圧ナトリウム灯器具の判別をしてください。

(3) 安定器の銘板記載事項による最終判別

 次に器具の反射板や蓋等をはずして内蔵されている安定器の銘板を確認してください。安定器の銘板は、下図の中段の図に示す個所に貼付されています。銘板には、下図の下段に示すような表示がしてあります。この表示により次の判別を行ってください。

安定器の種類の確認

 安定器の種類を確認してください。次の記載のある安定器はPCBが使用されている可能性があります。

蛍光灯器具「ラピッドスタート式」、「直列ラピッド式」、「シーケンス式」、「直列逐次点灯式」、「2灯直列点灯形」、「フリッカレス式」(注:式は形と表示されている場合がある)
水銀灯器具一般形「定電力形」、「フリッカレス形」
低圧ナトリウム灯器具種類によらず該当

3. 安定器の交換

 上記の点検により、PCB使用安定器と判別された場合は、速やかに交換が必要です。安定器を取り外す作業は、電気工事業者又は電気工事士の資格を有する方にお願いします。

 なお、交換にあたっては、安定器のほかソケットや電線等の附属部品も耐用の限度を超えており、継続使用は危険です。安定器のみの交換ではなく、必ず照明器具ごと交換してください。

PCB安定器(コンデンサ)を使用した照明器具

● 昭和32年1月から昭和47年8月までに製造された、次の器具に使用されています。

照明器具イラスト

● 具体的には、安定器の種類によりPCBコンデンサが使われています。安定器の種類等は、「表示ラベル」で確認できます。

安定器イラスト

● 安定器の「表示ラベル」で種類・力率(高力率)・製造年(ロット番号)を確認し、該当するかどうかを判定して下さい。

安定器の「表示ラベル」

● お問い合わせは、一般社団法人日本照明工業会(電話:03-6803-0685)にお問い合わせください。

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